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翠霞の森

Suika Forest

アステルピアの最西端にある森。魔技革命が起きるよりも前、魔法使いや魔女の多くが身を潜め暮らしており、未開の地と言われていた。

昔も今も、翠霞の森には人間が寄り付かなかった。深い森に立ち込める翡翠色の霧は、人間の体に悪影響を及ぼすものであった。その霧を抜けると目の前に広がるのは、清らかなエメラルドの泉。その周辺で魔法使いたちは暮らしていた。
翠霞の森に発生する霧の影響からなのか、他の土地では見られない生き物や植物が多く存在する。そしてそれらは、人間にとっては珍しいものばかりだった。金に目がくらんだ人間たちは、翠霞の森に足を踏み入れるが、そのどれもが失敗に終わる。翡翠色の霧が人間に与える影響は、毒を飲んだように呼吸が止まる者や身体のあちこちが膨張した末に肉片となる者など、様々なものだった。共通しているのは、その先にあるのが死であることのみ。その場から生還した者も中にはいたが、霧の影響や後遺症は必ず残り、近い未来で死を迎えた。
そしてその霧は、今でも絶えることなく、翠霞の森を守るように覆っている。

翠霞の森に生息しているメラルダの木は、今でも魔具の材料として扱われている。翠霞の森にしか存在しない貴重なメラルダ木材は、市場に出回っておらず、材料を必要とする魔法使いの為に管理・高値での取引がされている。
魔法学校マギステラでは、一学年時の前期に、このメラルダ木材を使用したマジックワンドを作る授業が行われる。毎年、マギステラ創立者自らが翠霞の森に赴き、材料を集めているというが、ここ近年でその姿を見たものはいない。

​©Amanogawa-Project / ©AstrO lily,created by YURiNO
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